信用保証協会の保証

いつもご覧いただきありがとうございます。行政書士の林です。

過去の記事『創業融資の基礎知識と活用法』でお伝えしたとおり、自治体の制度融資を受ける際は、信用保証協会の保証を受けることになります。この保証により、融資の返済が滞った場合に信用保証協会が返済を立て替えてくれます。

しかし、どんな事業者でも保証してもらえる訳ではありません。いざ制度融資を利用するときになってからでは、希望する時期に融資を受けられないばかりか、融資を受けることができなくなる可能性もあります。

そこで今回は、まず信用保証協会とは何かを整理したうえで、「保証が受けられない会社の特徴」を解説します。

なお、今回の内容は、制度融資を活用せずに金融機関から信用保証協会の保証付き融資を受ける場合も同様ですので、そのような方もこの記事をお読みいただければと思います。

信用保証協会とは

信用保証協会は、信用保証協会法に基づき、中小企業や小規模事業者の円滑な資金調達を支援することを目的に設立された公的な機関です。

多くの創業者は、金融機関から直接融資を受ける信用力が不足しています。
そこで、信用保証協会が保証人の役割を担うことで、金融機関に対する信用不足を補完し、融資が受けられる仕組みになっています。

※代位弁済については、必ずしも返済額全額を立て替えてくれる訳ではありません。多くの場合は80%程度にとどまりますので、代位弁済してもらえない残額は、通常どおり自社での返済が必要になります。

保証が受けられない会社の特徴

  • 複数の会社を経営しており、新会社が実態として他の会社の1部門にすぎない
  • 売上のほとんどがグループ企業に依存している(既存の会社の経営状況に大きく影響される)
  • 筆頭株主や役員、配偶者が別の事業をしている(別事業の業績が間接的に影響する可能性がある)

資金使途違反

融資申し込み時に伝えた目的と違う使い方をすることです。以下のような例が該当します。

  • 設備購入資金として融資を受け、その資金を運転資金として使う
  • 購入予定の設備の見積書を実際よりも高い金額で作成し、差額を運転資金に流用する。

資金使途違反は、金融機関取引の中では「重罪」であり、発覚すると全額返済を要求されたり新規融資を受けられなくなります

なお、金融機関がそのような事情を把握しながら融資を実行したことが発覚した場合、保証していたとしても信用保証協会は代位弁済しないので、金融機関がそのようなリスクを取ることはないと考えてください。

金融機関から取引停止処分を受けている

手形や小切手が決済できない「不渡り」を半年以内に2回出した場合、2年間は金融機関の取引停止処分となります。そうなれば、当座取引や貸出取引ができなくなるため、事実上の倒産に追い込まれます。

しかし、現実としては1回でも不渡りを出すとほぼ同じ結果になりますので、「1回くらい大丈夫だ」などとは決して考えないでください。

税金を滞納している

税金を滞納したり確定申告をしていない場合は、原則として融資は一切受けられません

これは、単に税金が払えないほど経営が苦しいという理由だけではありません。

借主が破産した場合、税金は融資よりも優先的に配当されるため、融資の回収可能性が著しく下がるからです。

また、日本政策金融公庫の場合、その融資は公的融資であり、税金が財源となっています。ですので、その税金を支払わない方には融資を受ける資格がないと判断されます。

ただし、滞納額が非常に軽微で分割納付の承諾を受けており、6か月程度で完納する見込みであれば融資を受けられる可能性があるので、どうしても納付が難しい場合は税務署等に相談してください。

商号等を頻繁に変更している

合理的な理由がある場合を除き、商号や本店所在地、代表者などが頻繁に変更されている場合は、保証を受けられない可能性があります。

金融機関は、そのような変更が違法かどうかはさておき、何か疑わしいことがあると考えられる場合は、安全性を優先し、融資しないと判断する可能性があります。

合理的な理由があって変更を繰り返している方は、指摘される前にこちらから金融機関に説明しましょう。

反社会的勢力

当然ですが、暴力団やそれに準ずる団体などの反社会的勢力は、融資を受けることができません。

これは、融資を受けようとする事業者そのものだけでなく、役員や従業員など関係者が反社会的勢力に関わっている場合も該当しますので、事業者としてきっちりと確認しておく必要があります。

融資を受けられない会社等の代表者が役員・株主である

融資を受けられない会社等の代表者を役員として迎えたり、その方が株主となっている場合は、融資を受けられません。

例えば、以下のような状況が当てはまります。

  • 金融事故を起こしていた(融資返済不可など)
  • 融資の返済期限を延長していた(リスケ)

また、役員や株主かどうかは関係なく、事業主の親・兄弟が上記のような事情の場合も融資を受けられない場合がありますので、家族に事業をしている方がおられる場合も注意が必要です。

事業主に暴力事件の前科がある

事業主が、過去に「殺人、傷害、強盗、暴行」など暴力事件の前科があると判明した場合は、融資を受けられない可能性があります。

ただし、過去の記事『創業融資が否決されないための6つのポイント』で触れた個人信用情報では前科が記載されていないので、インターネットなどで報道されていない限りは、金融機関も把握できないことが多いです。

しかしながら、前科があるのに「ない」と説明すると虚偽の申し込みに該当します。融資後に判明した場合でも、全額返済などのリスクがあるため、正直に話した上で交渉すべきです。

事業活動の制限を受ける外国人が事業主である

外国人の在留資格には様々な種類がありますが、融資を受ける場合は「永住者」や「日本人の配偶者等」であるか、「経営・管理ビザ」を取得している必要があります。

また、経営・管理ビザを取得している方については、認められた「在留期間」の範囲内が融資期間となりますので、残りの在留期間が短い場合は融資を受けられない可能性もあります。

今回は「信用保証協会の保証が受けられない会社の特徴」について説明しました。

反社会的勢力や取引停止処分など対処できないものもありますが、税金の滞納や役員の選任については、あらかじめ改善する余地があります。

この記事の内容を踏まえて、早期に改善を図ることにより、融資を受けられる状態になることができます。もし不安がある場合は、当事務所など専門家に相談することをご検討いただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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